人の相談に乗るときに私が心掛けていること6つ(基本原則)

こんにちは、おつまみ(@otsumami082)です。

人間、生きていると他人から相談を受けることってありますよね。そして、実際相談に乗ると、なんかしっくりこない、お互いイライラばかり募る。

あなたにも、こんな経験ありませんかね?

私は過去にものすごい回数ありましたw

そこで考えるわけです。

「どうやったらお互いがスッキリするような、納得できるような終わり方、もしくは人間関係を壊さないように相談事に乗れるのか?しっくり来るやり方や考え方はないものだろうか?」

そのようにいろいろ考えた結果、最近私が心得るようになったことがいくつかあります。

そこで今回は、私が他人から相談を受けるときに心がけていることを6項目に分解して解説していこうかと思います。

※この記事では説得のテクニック的な話ではなく、こちらの心理的な心構え(相手との距離感や対等性を適正に保つための気遣い)を取り上げております。

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相談に乗る際に心掛ける『6つの原則』とは

私には、相手の人生や人間関係を悪化させないために心掛けていることがあります。

それは何かというと

  1. 人は基本的に行動しない生き物だと心得る
  2. 自分は相談者のことを全く理解できていないと肝に命じる
  3. 他人をコントロールしようとしない
  4. 自分の成功ロジックが相手に当て嵌まることなんてほとんどないと認識する
  5. 人に期待しない
  6. 相談に乗ることで得をしているのは相談者より自分のほうであると思う

これら6つの事柄を守ることです。

分かりやすくするために、以後、これらのことを『6つの基本原則』とでも呼びましょうかね。(原則というと、何やら偉そうで恥ずかしいですが)

注意

※ちなみに、この『6つの基本原則』は私が経験則から言っていることであり、科学的考察などの類があるわけではありません。

私が相談を受ける際に、この『6つの基本原則』を意識するようになってから、相談してくる方々の反応が良くなったという実感があります(他人の人生を後押しできている感覚とでも言いましょうか)。そのあとの相談者とのやり取りで、迷いが吹っ切れたような、生き生きとした印象を彼らから受けるんですよね。

もし、これら基本原則から大きく逸脱した場合、相談者もアドバイザーであるこちらも不幸な結果になるし、良好な人間関係が崩壊しかねません。なので、相談事を引き受ける際「できるだけ原則を守る」ようにしています。相談者とアドバイザーである私の人生ないし関係性を壊さないためにも。

※この6原則以外にも「傾聴の姿勢が大事である」「相手のリスク許容度を把握すべし」とか、テクニック的なことを挙げれば軽く10以上は達するかと思います。それだとまとまりがなくなってしまうと思ったので、今回は、テクニック的なものを省き、私の心理面にフォーカスしたものを原則としてピックアップしました。

基本原則①:人は基本的に行動しない生き物だと心得る

人はなにかの強制力なり強迫観念、もしくは射幸心を煽るような大きなメリットやワクワク感がないとなかなか行動を起こせません。

たとえば、やらなきゃ殺される場面だったら、人は必死に行動するでしょう。また、ソーシャルゲームのガチャやギャンブルなどはやってて楽しくワクワクするので、他人が「止めろ!」と言ってもついついやってしまうものです。(私自身、Youtubeでゲーム実況をやっているので身につまされる思いです)

逆に、生命に関わる危険性(強制力)もないし、ワクワクもないといった状況がない事柄については、人間はなかなか行動を起こせません。

たとえば「会社に対して不満はあるけど、辞められない」が典型的な例ですかね。

辞められない理由として考えられるものとして

  • 会社を辞めたあとの見通しが立たない
  • 家庭を持っているのでリスクのある挑戦をすべきではない
  • 周囲に非難されるのではないかという不安がある
  • 肩書きを失うことによるアイデンティティ崩壊や世間体が悪くなるという不安
  • 現状で手一杯なので行動するエネルギーがない
  • リスクリターンを狙うより、何だかんだ言って現状維持が楽なので行動したくない

というものがあるでしょうか。

概して『リスク許容度が低い』ことが特徴として挙げられるかと思います。

そして、リスク許容度が低い人は「リスクを負わずに生活を改善する方法はないだろうか?」と考えます。その結果、とりあえず他人に相談することで問題解決の糸口を掴もうとします。(一応言っておくと、これは別に悪いことではありません)

また、相談者の中には「暇だし寂しいからコミュニケーションの一環として相談しただけ」くらいのモチベーションなのではないか?という人もいます。

その他にも

  • 実行する際の不安要素を冷静に洗い出したいから、他人の客観的意見がほしい
  • ちょっと話を聞いて欲しいだけ(解決策が欲しいわけではない)
  • 相談すると漠然とした不安が取り除かれるような気がする
  • 本当は後押しして欲しいだけ

と思しき人もいます。

ここらへんを読み誤って、半ば脅迫的に行動を迫ると相談者との信頼関係が壊れて、事態はより悪い方向に行くだけなので、注意しなくてはならない重要なポイントですね。

そもそも即行動できる人なら他人に相談などしません。深く考えずにとっくに着手しています。そして勝手に痛い目に遭って学んでいきます。(私は基本的にこのタイプ)

基本原則②:自分は相談者のことを全く理解できていないと肝に命じる

相談者との関係性が深まると起こる勘違いあるあるの1つに、「私は相手のことをちゃんと理解している」ということが挙げられます。

この世に歴史があるように、相談者にも歴史があります。なにか想像を絶するような体験をしているかもしれませんし、生まれつき考え方が特殊である可能性もあります。可視化されていない身体的&精神的なハンディキャップを負っている可能性も考えられますね。(現状の社会的枠組みでは障害と認知されない類)

それに人間は常に変化し続けているので、それらを適切に捉えることなど不可能です。相手を理解していると思うのはただの妄想ではないでしょうか。

そもそも人間は自分自身のことすら満足に理解していません。(もちろん私もです)

たしか岡田斗司夫さんが「人生とはじゃじゃ馬な自分をいかに乗りこなすかである」というようなことをおっしゃっていました(記憶違いだったらごめんなさい)。

また、前野隆司さんの提唱する『受動意識仮説』も、人間は自分のことを理解していないということを示しています。人間は意思決定を自分の意識で行っていると『自身の無意識』によって思い込まされているというのです。

自分という存在はじゃじゃ馬で手に負えない、つまり自分のことすらきちんと理解しコントロールするのは不可能なのです。ゆえに「自分は他人のことを理解できている」なんて考えるのは傲慢な勘違いに他ならないと私は思っています。

基本原則③:他人をコントロールしようとしない

「他人に助言は与えられるが、本人の意思決定にまで干渉すべきではない」というのが私のスタンスです。

ベストセラー本である『嫌われる勇気』の一節に”馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない”というイギリスの諺が出てきます。

これは私のスタンスを端的に表しており、意味は読んで字の如しです。

人間が水場に馬を連れて行っても、飲むか飲まないかを判断するのは馬自身です。人間ではありません。

この考えはアドラー心理学では『課題の分離』という概念として出てきます。(長くなるので『課題の分離』に関しての詳細な説明は割愛いたします)

『課題の分離』を含む、アドラー心理学のことが知りたい方はぜひ、本書をご一読下さいませ。

さて、それでは、この『馬のたとえ』に出てくる人間と馬をそれぞれアドバイザー(私)と相談者に当てはめてみましょう。

アドバイザー(私)が相談者にいくら適切なアドバイスをしたとしても、実行するかしないかは相談者次第です。

もし、この一線を超えて相手に実行することを強要した場合、それはもはや相談ではありません。支配です。

私は支配による関係性は歪んだ依存関係を形成してしまうのでよくないと思っています。相談者の自主性や考える力を奪ってしまう原因となりますので。

これこそ私が他人をコントロールしないことを原則としている所以ですね。

基本原則④:自分の成功ロジックが相手に当て嵌まることなんてほとんどないと認識する

人生に答えなどありません。答えが用意されている受験とは根本が違うのです。当然、十人居たら十通りの成功法則(幸せ)があります。

これは私の体験談なのですが、私はとある勉強会に参加したときに、カリキュラムの一環として、そこの主催者のカウンセリングを受けたことがあります(これは自主的に望んだことではありませんが)。
そして、その主催者のカウンセリングは本当に酷いものでした。自分の成功ロジックを相手(私)に押し付けるだけのマウンティングそのもの。彼はカウンセラーの顔した支配者だったのです。
今、私は30年以上生きてきた人生の中で一番幸せだと思っていますが、私が幸せ(成功)を掴んだ方法は彼(勉強会主催者)が押し付けたものとは全く違うものでした。

また、私が格闘技インストラクターをしていた経験上言えるのは、人の技術習得の過程(成功法則)は様々です。
地味な基礎からじっくりやる人、いきなり派手な技を次々に試す人、いろいろなタイプが居ます。どのタイプだから強くなり上達する、というのはありません。
強くなる人というのは、自身で課題を見つけ取り組める人です。たとえ地味な基礎練習をひたすらやっていても、やっていることの意味や課題を見つけられない限り、実践に結びつく基礎能力は身につきません。
大事なのは他人から与えられるロジックではなく、自身で見つける目標なり課題というわけですね。

話は少し逸れますが『ORIGINALS「誰もが「人と違うこと」ができる時代』の著者であるアダム・グラント氏は、自身の研究結果により「物事を先送りにする、いわゆる『先延ばし魔』な人のほうが、物事を期限内にテキパキとこなす人より創造性や独創性がある傾向が強い」という事実を突き止めました。
本書曰く、何を隠そう、かの有名なレオナルド・ダ・ヴィンチも実は典型的な『先延ばし魔』だったといいます。その証拠に、彼は彼の代表作である『モナ・リザ』を創作するのになんと16年もの歳月を掛けています。なぜ、こんなに時間が掛かったのかというと、創作途中に寄り道して光学を学んだりしたことが原因でした。そして、時間を掛けて学んだ光学を画風に取り入れたことが『モナ・リザ』を傑作足らしめたというのは、世界が認める紛れもない事実なのです。

俗に成功者というと『テキパキ決断していく人』というイメージがあるかと思いますが、レオナルド・ダ・ヴィンチはそれとは真逆ですよね。あなたが思い描いていた成功者のイメージとも、だいぶ違うのではないでしょうか?

このようなレオナルド・ダ・ヴィンチの例や私の身の回りの例を見てみれば分かる通り、物事の進め方なんて人それぞれ。

自分の成功ロジックを相手に押し付けても上手くいかないのは道理ですよね。

基本原則⑤:人に期待しない

基本原則①で取り上げたとおり、人は基本的には行動しない生き物です。それに基本原則③で説明したとおり、相手がどうするかは相手次第です。また、基本原則④で説明したとおり、アドバイザーの成功ロジックが相談者に当てはまるとも限りません。「こうやれば必ず上手くいくのに」と言って相談者に強要するのはアドバイザーの勝手なエゴであり、控えるべきだと私は思っています。

基本原則⑥:相談に乗ることで得をしているのは相談者より自分のほうであると思う

「こちらが一方的に価値を与えているんだ。得をしているのは相談者であり、こちらに得はない!」という考えはパターナリズムに陥る可能性のある危険な考えです。パターナリズムに陥るとアドバイザーは支配者になります(こうなると上手くいかなくなるというのは、これまで説明してきた通り)。
これは綺麗事ではなく、だれかの相談に乗るということで得をしているのはアドバイザーの方だと私は思っています。

なぜなら、相談されるということは人に頼られている感覚を得られます。つまり、人間社会における自分の居場所を獲得できるというわけですね。これによりアドバイザー本人の自己肯定感が高くなり、幸福感を得やすくなります。

そして、アドバイスしたことにより感謝されれば、さらに自己肯定感は爆上がり。自分はこの世に存在して良いんだと心の底から思えるんですよね。

さらに私にとってはもう1つ重要なメリットがあります。

それは他人がどのようなことで悩んでいるのかを知る、言い換えれば他人のニーズを知れる絶好の機会だということです。動画配信者やブロガーにとって、世間のニーズを知るというのはとても重要なことですからね。
一人の相談者を通して世間のニーズを深堀りするきっかけとなるわけです。

というわけで、相談に乗るということは、一見、相談者にしか得がないと思われがちですが、そんなことはありません。実際、アドバイザーにも得はありますし、両者が対等の関係でいるためにも、ある種の「お互い様」精神は必要だと私は思うのです。

最後のおさらい

私の言う『6つの基本原則』とは

  1. 人は基本的に行動しない生き物だと心得る
  2. 自分は相談者のことを全く理解できていないと肝に命じる
  3. 他人をコントロールしようとしない
  4. 自分の成功ロジックが相手に当て嵌まることなんてほとんどないと認識する
  5. 人に期待しない
  6. 相談に乗ることで得をしているのは相談者より自分のほうであると思う

ということでした。

もし今後、あなたが知人の相談に乗るときに、今回挙げた6つの原則が役に立ったとしたら、これにまさる喜びはありません。

最後まで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m

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